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ブライトン2023-24と過去の欧州予選初出場チームとの比較



プレミアリーグではここまで暫定8位。FAカップは敗退し、ヨーロッパリーグも非常に厳しい状況です。三笘選手を筆頭に主力選手の負傷離脱が続き、ブライトンファンにとっては想像していた以上に苦しいシーズンと言えるでしょう。


よく巷では「ヨーロッパリーグに初出場したクラブは、翌シーズンには苦しいシーズンを過ごすことになる」という説が語られますが、しかし、本当にそうなのでしょうか?


過去15年間にヨーロッパリーグ出場権を獲得したイングランドの複数のクラブが、過去にどのようなシーズンを過ごしてこの難しい局面に対処したかを分析してみました。


ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ

チャンピオンシップから昇格した2018-19シーズン、ウルブスはプレミアリーグに旋風を巻き起こし、リーグ戦7位フィニッシュでヨーロッパリーグの予選への出場権を獲得。チームは勢いのままに、ヨーロッパリーグを戦いながら、2019-20シーズンもリーグ戦7位で終えて、その強さが一過性のまぐれではないことを証明しました。


ただし、プレミアリーグでは調子が良く、ヨーロッパリーグの影響をほとんど受けなかった一方で、FAカップでは3回戦、そしてEFLカップでは4回戦で敗退しています。


ヨーロッパリーグでは準々決勝まで進み、セビージャの前に敗れ去りましたが、その健闘は見事でした。しかし、ここで忘れてはならないのは、このシーズンは新型コロナウィルスにより3ヶ月の中断期間も考慮しないといけないのは事実であり、単純に今のブライトンの戦績や状況と比較するのは控えないといけないかもしれません。


バーンリー

ショーン・ダイチ監督率いるバーンリーは2017-18シーズン、プレミアリーグを7位でフィニッシュし、51年ぶりにターフ・ムーアとファンにに欧州サッカーをもたらしました。


迎えた2018-19シーズン、クラブ史上初となるUEFAヨーロッパリーグ予選に参加しましたが、プレーオフでオリンピアコスに敗れ本選出場は叶いませんでした。


さらに国内では、バーンリーはかなりの落ち込みを経験することになります。2018-19シーズンは降格圏まで勝ち点差6の15位で終わり、FAカップは4回戦、リーグカップは3回戦で敗退しました。


2020-21シーズン、リーグ18節リヴァプール戦に1-0で勝利し、68試合続いたリヴァプールのリーグ戦ホーム無敗記録を終わらせるという大仕事をちゃっかりやってみせますが、2021-22シーズンは18位に終わりチャンピオンシップに降格しています。


サウサンプトン

ここ数シーズンで成功を収め続けているブライトンは、10年前に同じような成功を収めたサウサンプトンと比較されることが多いです。


ロナルド・クーマン監督の下で2014-15シーズンに7位フィニッシュを果たしたサウサンプトンは、2015-16シーズンのヨーロッパリーグ出場権を獲得します。しかし、結果的にサウサンプトンはそのチャンスをモノにすることができず、プレーオフでデンマークのミッドタイヤランドにノックアウトされて本戦出場を逃しています。


それでも2015-16シーズンにはクーマン監督はサウサンプトンを6位に導き、クーマン監督の後任クロード・ピュエル監督の下、2度目のヨーロッパリーグに挑みますが、残念ながらグループステージ敗退に終わっています。


ヨーロッパリーグでのプレーは、国内でもセインツにほとんど影響を与えなかったと言えるでしょう。サウサンプトンは2016-17シーズンは8位でフィニッシュし、リーグカップでも決勝に進出しています。


ただし、2017-18シーズン以降はチームの調子は下り坂で、ご存知の通り、昨シーズンはプレミアリーグ最下位でチームはプレミアシップに降格しています。


フラム

フラムは2008-09シーズンでプレミアリーグで7位フィニッシュを果たしてヨーロッパリーグ出場を達成。ボビー・ザモラがゴールを量産した2009-10シーズンは、ヨーロッパリーグでも鮮烈なインパクトを残しました。


予選ラウンドから決勝戦まで、合計19試合を戦い抜き、ファイナルではアトレティコ・マドリードに延長戦の末に2-1で敗れましたが、それでもクラブ史上最高のシーズンだったとファンの人たちは誇れるでしょう。


ただし、このヨーロッパリーグの過密日程が彼らに大きな影響を及ぼしたことは想像に難くないですね。稼働量が明確に増えたフラムは2009-10シーズンではリーグ戦12位に転落し、さらに2013-14シーズンでは2部落ちを経験しています。


こういった事例を見ていくと、今のブライトンもヨーロッパリーグを含めた過密日程に影響されている部分がないとは言えないでしょう。残りのリーグ戦の結果次第では、ボトムハーフでシーズンを終える可能性もないとは言えないです。


大事なのは、来シーズン以降なのではないでしょうか。魅力的なサッカーを展開しつつ、いかにリーグ戦で勝ち点を上積みしていけるかどうか。そのためには補強も大事ですし、怪我人を出さないようにする選手へのケアといった側面が大事になってきますね。


今シーズンは多くの感動を与えてくれている初のヨーロッパでの旅路ですが、チームへの影響を鑑みても、やはり出場する意味は大きいと思いますか?

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